出典・奈良市西笹鉾町「朱鯨亭」
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あごの具合がおかしい
 

顎ががくがくするとか、かくかく鳴る方は左右の頭骨がずれているので、
これを調整すれば音がしなくなります。


浮見堂近くの梅

●頭蓋骨の左右が歪んでいる

目の高さが左右で違うとか、目の大きさが違う、眉毛の位置が左右で違う、 などという方がいらっしゃいます。そんな方は目が下がっていたり小さかったりする側の頭骨が下がっています。 そして仰向けに寝てみると、たいてい下がっている側の脚が長くなっているようです。 現実に脚の骨の長さが違うのではなく、股関節や骨盤の具合が不ぞろいになっているのですが、 痛みがないかぎり、大きな不具合はないでしょう。

しかし、頭骨のズレは重大な結果を引き起こすことがあるようです。耳鳴り、頭痛、花粉症、 顎関節症など頸(くび)から上の症状には、このズレが関係している可能性があると思ったほうがいいでしょう。 ズレがあるかどうかをチェックする方法は、耳たぶの後ろにある大きな突起の下を押さえてみれば わかります。下がっている方に痛みがあるからです。しかし中にはズレが明らかにあるのに、 痛みがないという人もいますから、痛みがなくても試みる値打ちはあります。


正倉院近くの大仏池にて

●頭のてっぺんに親指をあてる

頭のてっぺんに 「百会(ひゃくえ)」 というつぼがあることはよく知られています。 このツボの左右へ指二本分くらいのところを野口晴哉さんは 「頭部二番」 と呼びました。 野口さんは、次のように説明しています。目の黒目を上に上がっていく線と、両耳を結ぶ線の交点。 ここは頭蓋骨の左右の矛盾を解決する点として知られています。ここに軽く両手の親指をあてて、 残り四本の指は耳のあたりにあてて、そのまま押さえつけないでしばらくじっとあたためます。

気を送ると言うイメージでもありますが、 この点に親指をあてて、じっと当てている方の指先から呼吸をしているイメージを保ちます。 治ってくれとか、治してやるとか、力まない方がいいようです。野口さんは 「天心」 と言って いました。天心でやりなさいと。計らいのない、気持で試してみましょう。

●ただし、お話をしながらではなく、 集中は必要です。澄んだ気持が良いようです。

指を頭の上においた時は、頭蓋骨って硬いものだな、という感覚を持たれるかもしれません。 しかし、じっと指をあてているうちに緩んでくる。相手の頭蓋骨が、呼吸に合わせて動いているのを 感じるようになってきます。もちろん頭蓋骨はあくまで骨ですから、それ自体は硬いものです。 それが呼吸とともに、わずかに開いたり閉じたりしているのが感じられるようになるので、 柔らかに感じられるようです。

●顎の違和感がなくなった

さて、ゆったりとした間合いで、緩やかな呼吸を感じらるようになった頃、指を離して、「あごは、どうですか?」 と尋ねてみましょう。「あ、音がしない。 鳴りません。」と、答えられる。

でも、まだ油断は禁物。頭蓋骨がずれるのは骨盤が傾いていたり、 股関節がくるっていたりするからです。そのあたりを調整して、傾かないように安定するまでは気をつけたほうがいいようです。場合によっては何度か調整を繰り返しながら安定していくこともあります。

 

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