出典:奈良市西笹鉾町「朱鯨亭」
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足が 《つる》


東大寺・戒壇堂山門 

「こむら返り」 の「こむら」 は 「ふくらはぎ」 の古い言い方だそうで、 「ふくらはぎ」 が
ひきつることを「こむら返り」と言います。

関西ではこれを、足が 《つる》 という人がよくいます。《つる》 という言い方が標準語なのかどうか、よく分かりません。 関西以外の人に分からなかったら困りますから、 《つる》 と括弧つきで書いておきましょう。足が 《つる》 人が多い。

これはいったい何なんだろうか。足が 《つりそう》 になった時、どこがどのようになるのかを観察すれば、 《つる》 という現象の原因が分かるかもしれません。

何故 《つる》のだろうか。もちろん、 人によっては足以外のところが 《つる》 人もいるでしょう。背中がつりそうになる、ということもあります。 要するに、どこかを無理な角度にもっていこうとすると、そのあたりの 筋肉が痙攣(けいれん)を起こすのを 《攣る》(つる)と表現している ことになります。

●大きく変化できない


東大寺戒壇堂にて

ここでは話しを、「ふくらはぎ」にしてみます。足が 《つる》 というのは、多くが足首の問題であるらしいからです。 試みに足首を手前にそらせてみましょう。これで足首が 《つりそう》 になった人がいることでしょう。 あるいは足首をまっすぐにそらせようとすると 《つる》 という人もいるかもしれません。同様に、 内側に大きくひねろうとすると 《つる》 人、外側に大きくひねろうとすると 《つる》 人もいることでしょう。 要するに足首の筋肉をどちらかの方向に大きく変化させようとすると 《つる》 ようです。

言い換えると、筋肉が大きく変化できない状態にあるのに、これを大きく変化させようとすると 《つる》 ということになるようです。

●足首の関節が硬い

筋肉が 《つり》 を起こすには条件があります。筋肉の動きが悪いことです。よく動く足首を持っている人であれば 《つる》 ことはないはずです。《つる》のは、足首の関節の動きが悪いからです。では、なぜ関節の動きが悪いのか。

足首のところでベアリングのような働きをしている距骨(きょこつ)という骨があります。 かかとの骨とすねの骨の間に挟まった比較的ちいさな骨ですが、これがずれる(というより、 固まっているといった方がいいのかもしれません)と足首の動きが悪くなる。逆にいえば、この関節のずれを修正して 動きをよくすると、足首の動きがよくなります。

●足首を動きやすく

「こぶらがえり」 の直し方として、 手にある、体の反射=調整箇所。この場合は、小指の第一関節を外側から内側へなでると、反射によって距骨周辺の筋肉がゆるみ、 治まる場合があります。ただし、 歪みがきつい場合はこれだけで修正することは難しく、操体法=体の反動を利用した、施術を受けられることが必要になります。

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