鏡でご自分の顔をよくご覧ください。くびが左右の真ん中にありますか。どちらかに少し平行移動している人は、
そちら側の肩が硬くなって首を引っぱっています。
●肩こりは脇の下から
肩にはたくさんの筋肉が集まっています。ですから一口に 「肩こり」 といっても色々な症状があり、
ゆるめようとすると、人によって施術の方法を変えなければなりません。多くの人に共通して見られるのは、
脇の下が硬くなっています。
わきの下が硬くなって、押えると痛みがある。そんな状態になっていれば、まず解きほぐす必要がある。
この硬くなっている部分が肩の筋肉をひっぱっているからです。
どっちのわきの下でもかまいません。反対側の手をわきの下に差し入れて、いちばん奥の肉をつかんでみてください。
「いちばん奥」 というのは 「背中に近いところ」 という意味です。薄くて皮一枚をつかんでいるような感じなら、
何も問題はありません。でも多くの人は、わきの下が分厚くなっていて、硬い上に、あちこち探ってみると、
痛みのあることが少なくありません。
もしも奥のほうに痛みがあるとすれば、そこをぎゅっと握ったまま、しばらくじっとしていてください。
そうすると、やがて分厚い肉がゆるんで来ます。痛みがあってもやわらいでくる。あまり痛みを感じない場合もありますが、
脇の下がぶ厚くなっていれば、やはりじっとつかんでいてください。少しずつコリが薄くなってくるでしょう。
●顔がどちらかに寄っている
もう一つ、チェック項目があります。鏡にあなたの顔を映して、頸 (くび) がまん中に来ているかどうかを調べます。
意外にこれが左右どちらかに偏っている人が多いんです。どちらかに傾いているということを言っているのではありません。
頸がどちらかに平行移動している場合のことです。頸のまん中が体のまん中に来ていない人がけっこういるんです。
そこまで行かなくても、頸の両側を触ってみると、左右で硬さの違う人はものすごく多い。
例えばあなたの頸が少し左に寄っているとしましょう。頸の左側だけが硬くなっている場合も同じです。その時は、
ほぼ間違いなく左のわきの下が硬くなっています。つまりわきの下の筋肉が硬くなって、
頸をそちらにひっぱっているんですね。では、これをゆるめたら頸はまっすぐにまん中に来るのでしょうか。来ます。一回で治ることも珍しくありません。
平城遷都1300年
●肩関節が下がっている
もう一つ、これも試してください。これは自分ではできませんから、だれかに手伝ってもらってください。
あなたの腕の上のほうを両手で握って、上にぱっと突き上げる。何度か同じことを繰り返します。それから、
脇の下をつかんでみる。さっきまで分厚かったコリが、たったこれだけのことで随分うすくなる場合があります。
肩が痛くてボールが投げられない若者の肩が、こんな風にしただけで簡単に投げられるようになることさえあるようです。
つまりこれは肩の関節が下の方へズレていたわけです。それを突き上げたらズレが直った。
あまり変化がないこともありますから、これだけで全部が直るかどうかは判りませんが、
かなり楽になること多いはずです。一度ためしてみてください。
肩こり解消の注意は、できるだけ揉(も)まないことです。たびたびマッサージに通っている方の肩は カチカチになっていることが珍しくありません。自宅のマッサージ機にかかっている方も同じです。 揉んだあとは楽な気がしますが、それだけのことで、すぐに凝ってくる。今度はさらに強く 揉まなければ感じなくなってくる。強く揉んでいるうちに皮膚の中の毛細血管が切れるのでしょう。 たいへん硬くなってしまう。そうなっては、もう手の施しようがなくなってしまいます。